時代とともに日本の住環境も変わり、在来工法畳の和室が一般的だった時代から、現在はツーバイフォー住宅やプレカット工法の住宅が増えております。
お部屋も洋室がメインになり、和室は1~2部屋のみといった間取りが多くなりました。
住まいの床は、今や畳よりもフローリングが一般的になっています。
フローリング=flooringで、本来はコルク、クッションフロア、タイルや石材などを含めた床材全般を指すものでしたが、日本では、ほぼ木質の床材を指す言葉になっていますね。
今回はこのフローリング床のお掃除方法をご紹介したいと思います。
フローリング床の種類と特長
フローリングにも様々な種類がありまして、よく使われるのは「複合フローリング」と呼ばれるタイプです。
これは合板などの上に天然木や集成材、木目を模した化粧シートなどを貼りあわせ、表面には塗装を施したものです。
反りや割れ、湿度や寒暖の差による収縮膨張などの変化が少なく、表面の材の下に音や衝撃を吸収する材料を挟むなどで、機能性をアップした製品などもあります。
反面、しっかりと乾燥・塗装されているため、足触りが硬くヒンヤリと感じられ、単層の無垢材のフローリングのような調湿性はもっていません。
それに対して「単層フローリング」とは、主に無垢材、ものによっては集成材を使ったフローリングのことで、複合フローリングにくらべて柔らかな足触りと質感、木の香りを感じられること、ヒンヤリ感が少ないこと、調湿作用をもつため、部屋を快適に保つ作用があることなどが長所です。
また、新しいうちもナチュラルな雰囲気が素敵ですが、年を重ねた質感というものにも趣があり、使い込んで出てくる味がある事も良いところです。
無垢材のフローリング
スギや松などの針葉樹のフローリングは、柔らかく肌触りが良いけれども傷が付き易いという特徴があります。
また、針葉樹のフローリングは、針葉樹独特の成分が含まれているため(ヒノキチオールなど)、良い香りがお部屋に広がり、殺菌効果もあります。
オーク、チークといった広葉樹は硬く耐久性が高く、樹種によってはシックな色合いが楽しめますが、お値段的にも高めとなるなど、樹種によって違いがあります。
無垢材のフローリングは自然の色合いや香り、肌に触れた時の温かみがありますが、複合フローリングに比べると、傷がつきやすいことや水や汚れに弱いことなどがデメリットとして挙げられます。
また、乾燥する季節には収縮しますので、材と材の間に隙間が目立ったり、逆に湿気の多い時期には、材と材の間の遊びがなくなり、ひどい場合は盛り上がってしまうこともあります。
フローリングのお手入れ お掃除法
フローリングのタイプにかかわらず、お手入れの重要な点は、余分な水分を木に吸わせないことです。
汚れ成分の混じった水分は、シミや色あせ、黒ずみや狂いなどの原因になります。
何かをこぼした時にはすぐに拭き取り、掃除の際には濡れ雑巾をフローリングの上に放置する事も避けましょう。
複合フローリングの掃除方法
複合フローリングは、表面が塗装されているので、普段のお手入れは掃除機やワイパーシート、乾いた雑巾などでOKです。
なんとなく薄汚れたかんじがする時やベタベタ感がある時は、重曹水のスプレーをかけながら固く絞った雑巾で拭き取り、さらに乾拭きをするとスッキリします。
また、年に1度の頻度で市販のフローリング用ワックスを塗ると、ツヤが復活するうえ、ワックスのコーティング効果により傷付きにくく、ホコリやよごれも付着しにくくなります。
ただし、最近はノンワックスのフローリング材も多いようなので、あらかじめ施工業者等に確認して、お手入れ方法をたずねておくと良いでしょう。
無垢材フローリングの掃除方法
無垢材は、乾いた雑巾で拭くのが基本とされていますが、なかなか乾拭きだけでは汚れが取れないこともあります。
時には固く絞った濡れ雑巾で拭くのもさっぱりします。
ただし化学雑巾を使うのは、NGです。
それは、化学雑巾に含まれている薬品が、フローイングの黒ずみやシミの原因になってしまうからです。
無垢のフローリングは、冬期は乾燥して材と材の間に隙間ができ、そこに汚れがたまりやすいので、竹串などで汚れをかき出したり、掃除機に細いノズルをつけて丹念に吸い出すといった作業も、時にはやっておきたいですね。
拭いてもとれない汚れや少しの傷は、サンドペーパーでこすってみましょう。
しっかりときれいにしたい場合は、電動のサンダーをかけるのも手ですが、細かい削りカスが部屋中に舞うことになりますので、インテリアをどかしたり養生したりしてから作業しないと、後々かえって部屋中の掃除が大変です。^^;
無塗装の無垢材フローリングの場合でも、後々のお掃除やお手入れが気になるときは、あらかじめワックスや塗装をしておくのもひとつの手です。
無垢のフローリングに塗るなら、植物油をベースにした塗料や蜜ろうワックスがオススメです。
塗装を施すことで防水、防汚効果がありますし、クリアなタイプを選べば、木の質感や色もほとんど損なわれません。
今は色々なメーカーでナチュラル自然系の塗料が出ていますが、私が使っているのは、ドイツのリボス社の塗料と蜜ろうワックスです。
このリボス社は、塗料が食品基準をクリアしているという話で、確かに塗装中も嫌な臭いはありませんし、素手で触っても肌が荒れません。
年末にフローリングのお手入れ
フローリング床のお手入れに大切なのは、フローリングの材質を把握する事と、ご自分がどのような床の状態が一番好ましいのかを、しっかりイメージする事です。
お掃除やメンテナンスの簡単さを求められるのでしたら、しっかりとワックスを掛けて、表面をコーティングする事が良いと思われます。
反対に、自然の木の質感がお好きなのでしたら、空拭きや部分的なサンディングが好ましいでしょう。
フローリングの種類によって、それぞれのお掃除お手入れ方法がありますが、色々なお手入れ方法をごっちゃにしてしまっては、大変です。
12月も半ばに入ろうとしておりますが、そろそろ大掃除の季節です。
昔なら畳の虫干しや障子の張り替えなどをしていたように、フローリングの大がかりなお手入れを大掃除の際にするのを習慣にするのも、良いかもしれませんね。