身近にある物を使った堆肥作り
秋も深まり、落ち葉のシーズンがやってまいりました。
この時期の外のお掃除、落ち葉は掃いても掃いても落ちてきます。
さて、集めた落ち葉はどう処分しましょうか?
袋に詰めて燃えるゴミにするのもかさばるし、集めて燃やすのは、最近では野焼きを禁止しているところが多いので、むやみに出来ません。
またお庭や畑では、除去した雑草、剪定した枝や花がら、収穫した後の野菜の残滓などが出てしまいます。
また、台所でも野菜の皮や卵の殻、お茶っ葉、魚のアラなどの生ゴミが出ます。
いずれのものも、都会で生活つする中で処分するとなると、なかなかやっかいなものですが、こうしたものを使って堆肥を作るという方法があります。
もともとは不要だったものが、堆肥になると、家庭菜園やガーデニングで使える良い肥料となります。
堆肥の中には有益な微生物がたくさん含まれているので、土の中に堆肥を混ぜると、土中の微生物が活発に活動して増え、排水性や通気性をアップさせます。
また、微生物たちの排泄物や死骸はとても良い栄養分になるので、土壌改良にもなります。
ゴミは減って、肥料代は節約、畑は豊作と一石三鳥の効果です。^^
堆肥は「土や落ち葉、ゴミなどを合わせて数ヶ月(量や内容物によって違う)熟成させる」という非常にシンプルな手順で作られます。
堆肥は熟成させると、元々の落ち葉やゴミの形はほとんどなくなってしまいます。
落ち葉や生ごみといった資材を、直接土中に埋めるだけでも堆肥化しますが、猫や野生の動物がひっくり返したりする恐れがあるほか、熟成しきらないうちに植物を植えてしまうと、腐食が巣によって逆に植物の根を傷める原因になることもあります。
<堆肥の作り方>
堆肥の一般的な作り方は、コンポストや市販のプラスチックや木製の堆肥枠を使う方法です。
作り方はと手も簡単で、コンポストや堆肥枠を庭や畑の片隅に設置して、上部から生ゴミや落ち葉などを投入していきます。
生ゴミを入れる場合は、ゴミ自体に水分が多いので、あらかじめ余分な水気はしっかりと切ってから入れることが重要です。
スイカやメロンの皮、トウモロコシの芯など、かさばるゴミは、なるべく小さく刻んでから入れた方が、より早く分解堆肥化します。
大きな魚や鶏の骨、貝殻などは、小学校の歴史の時間に習った「貝塚」として残るくらい、分解が極端に遅いので、取り除いたほうが無難でしょう。
状況が許せば生ゴミを広げて日に当て、少し乾燥させてから入れるとよりベターです。
落ち葉を入れる場合は、イチョウや柿、葉の厚い常緑照葉樹、針葉樹、竹や笹などは分解しにくいので、入れるのを避けるか少量にしておいた方が良いと思われます。
コンポストや堆肥箱の内容物がいっぱいになったら、そのまま数ヶ月置き、十分に堆肥化してから、家庭菜園や畑に使いましょう。
大量の堆肥を一度に作りたい場合は、屋外にそのまま「野積み」するだけでも良いいのですが、この場合は上部をブルーシートなどで覆い、雨天時に余分な水分が浸透しないようにすることが大切です。
また、時折スコップなどで上下を切り返すことによって、堆肥中の微生物に必要な酸素を与え、余分な水分を発散させる効果があります。
定期的なかき混ぜ作業は、堆肥各部の発酵具合を平均化させ、むらのない熟成を促します。
マンション住まいやお家に庭がないという場合でも、プランター、発泡スチロールの箱、プラスチックの衣装ケースなどを使えば、小規模な堆肥作りもできます。
最近では、段ボールを使って簡単に堆肥が作れる「段ボールコンポスト」なるものが流行っているようですが、賛否両論別れるようで、私も、「段ボールコンポスト」を使わなければならないような環境条件下では、現実的に難しいように思います。
どんな方法にせよ、堆肥作りで悩まされることが多いのは、虫と臭いです。
先ずは、コンポストの場合は蓋をしっかり閉め、堆肥枠の場合は板やブルーシートなどで上部をしっかり覆うことが大切です。
そして生ゴミを入れた後は、必ず上から土を入れて、生ゴミが表面にむき出しにならないようにする事。
しっかり表面を土で覆う事によって、虫の発生と匂いはかなりの部分防ぐことが出来ます。
また、土を入れる事は虫や臭い除けになるだけでなく、土の中に含まれる微生物の働きにより、生ごみ資材の堆肥化も進みやすいというメリットもあります。
時期的には、気温の高い夏のほうが微生物の活動が盛んになるので、発酵の進行も早いのですが、その分どうしても虫がわいたり腐ったりしやすいので、初めの内は、気温も落ち着いた今頃の時期に作るのが良いと思います。
尚、自治体によっては、減ゴミ奨励の一環として、堆肥作りに必要な道具(コンポスト、生ゴミ処理用のバケツ、電動の生ゴミ処理機など)の購入に助成金を出しているところがあるようです。
ただし自治体によって、助成してくれる金額や内容が違い、指定の店舗や指定の型番のものを買わなければならない、購入前の申請が要るなど、それぞれに条件があるので、まずはお住まいの自治体に問いあわせてみましょう。
楽しい循環
お庭の植木の落ち葉やご家庭から出る生ごみを堆肥に変え、それを使ってお花や野菜を育てる事は、自分の周りで手軽にできる、とても良い循環のように思います。
地球の環境やごみの問題など、大きな事ではなく、普通に楽しんで堆肥作りや家庭菜園などされる事が、しっかりとに生活に根差した、本当の意味で素晴らしい活動なのではないかと思います。
それに、自分で作ったお野菜は、本当に本当に美味しいです。^^
そして、収穫して料理した野菜の下手は、また堆肥の資材へと返っていきます。
そうやって小さな楽しい循環が広がっていって、日々の生活がより良いものになっていったら、とても素敵ですね。^^
by 便利さん