便利なインパクトドライバー
DIYを始めようと思ったら、まず最初に購入を考えるのは、インパクトドライバーではないでしょうか。
インパクトドライバーが1本あれば、木やプラスチック、鉄など、色々な材料への穴あけ、ビス留めが出来ます。
部材と部材を連結するのに、このインパクトドライバーとビスほど簡単な方法はありません。
建築現場も昔はクギ打ちが主でしたが、現在はビスやボルト留めが主流になっています。
建具や家具の組み立て場面でも、ビス留めは欠かせません。
とくに家具類は、現在では重厚な嫁入り箪笥的なものは敬遠され、IKEA、ニトリといった組み立て家具が流行っていることからもわかるように、ビスやボルトで組み立てるタイプのものが主流になっています。
ビス留めが主流になったのは、ビスが安価に出回ったことと同時に、インパクトドライバーが高機能かつ手頃な値段で手に入るようになったことも、理由のひとつといえます
ビス留めは釘に比べると保持力が高い事が特徴です。
釘打ちでは、固定したい部材の厚みの3倍の長さの釘が必要といわれておりますが、ビスの場合は2倍でしっかり固定できます。
しかも、ビスは抜くのがたやすいので、たとえ打つ場所を違えたとしても、やり直しが簡単にできます。
というわけで、ビスの普及とともに、DIYが好きな人には今や必須アイテムとなったインパクトドライバーですが、その機能や各のメーカーの特色などをご紹介していきたいと思います。
インパクトドライバーの特徴
まず電動ドライバーには、「ドリルドライバー」と「インパクトドライバー」と呼ばれるものがあります。
両方とも基本的には、ネジの締め付けや穴あけに使うものです。
違いは、前者は回転機能のみ、(トルク調節機能付き) 後者は打撃機能を持ち、より強力に(使い手にとっては楽に)ビス締めができるようになっていることです。
ただし穴あけに関しては、インパクトドライバーは衝撃が強くブレやすいので、精度の高い穴あけをする場合には、ドリルドライバーのほうが適しています。
しかし、使い勝手や作業性、作業の対応範囲から言って、初めに買う工具は断然インパクトドライバーをお勧めいたします。
インパクトドライバーには、コード式のものと充電式のものがあり、価格的にはコード式タイプのほうが安いです。
コード式インパクトドライバーは、パワーのぶれが少なく、安定した作業が可能です。
インパクトドライバー本体の重量も、充電式よりもコード式の方が一般的に軽いので、長時間同じ場所で作業する場合は、コード式の方が作業効率が良いといえます。
一方充電式インパクトドライバーは、持ち運びの機動性が高いので、色々な場所で作業する場合、コード式に比べてストレスが少ないと言えます。
充電式インパクトドライバーのデメリットは、バッテリー残量が少なくなってくるとパワーが落ちる事、バッテリーがなくなって交換する手間がかかる事、バッテリーは寿命のある消耗品という事です。
しかし、最近のインパクトドライバーは本当に性能が良くなっていますので、バッテリーの持ちも格段に良くなりましたし、DIYで週1日使用するぐらいでは、バッテリーの寿命も、一生使えるレベルになっていると思います。
なんにしても、インパクトドライバーという機動性が最も重要な工具の性格からして、機動性が十分に得られる充電式の方が、理に適っていると私は思います。
バッテリー式インパクトドライバーの電圧、電流には、3V台〜18V 3.0A~6.0Aまで幅があります。
電圧に関しては、低いものは最大トルクが非力なので、本格的に使うなら12V以上のものがおすすめです。
電流A=アンペアはバッテリーの使用時間です。
アンペアが高いほど、満充電でのバッテリーの使用時間は伸びるのですが、その分お値段は上がります。^^;
また、以前にブロワーの記事でも書きましたが、バッテリーが共用できるように、他の工具(ブロワーやディスクグラインダー、丸ノコ、ジグソーなど)も同じメーカーの同じ電圧のもので揃えると、使い回せて便利でロスがありません。
電動工具メーカー比較
日本で売られているドライバーの主なメーカーの特色は、だいたい次のようになります。どのメーカーもたいていプロ用とDIY用のラインナップがあり、プロ用は概ね高耐久性・高精度な反面、価格は割高になりますので、使用頻度や主な用途を考えて選びましょう。
<マキタ Makita>
リチウムバッテリーを取り入れたのはマキタが一番早かったこともあり、現在では電動工具のシェアは国内NO.1。たいていのホームセンターなどで見られます。
職人時代の先輩たちの話では、「マキタはモーターが良い」というのが通説でした。
ですので、回転系の工具により強いと言えるかもしれません。
<日立工機 HITACHI>
業務用が主力なこともあり、とくにハンマドリルの丈夫さに定評があります。
電池の充電時間が業界最速とのことで、大容量の14.4・18.V用6.0Ahタイプの電池でも30分で充電可能です。
<リョービ RYOBI>
コストパフォーマンスに優れ、量販店などでは多く販売されているので、DIY愛好者には人気があります。
低価格帯の工具は、ニカド電池が主流です。
造園用の工具は、リョウビが性能、ラインナップともに強いイメージがあります。(チェーンソー、ヘッジトリマ、草払い機など)
<ボッシュ BOSCH>
ドイツのメーカーで、日本では国内メーカーに押され気味とはいえ、ヨーロッパでは有名です。
同スペックのマキタや日立の工具に比べて、値段が若干安いのですが、パワーはマキタや日立よりもあります。
また、これも職人時代の通説なのですが、「ボッシュはどんなにハードに使っても壊れない」という話を聞いたことがあります。
流石ドイツメーカーのといったところですかね。
<マックス MAX>
マックスはもともと、タッカーやエア工具のメーカーとして有名です。
しかし、最近は電動工具の開発にも力を入れており、インパクトドライバーをはじめ、丸ノコやハンマドリルなど、現場の職人目線でのもの作りに定評があります。
例えば、インパクトドライバーの防水に関してですが、マキタや日立は内部部品のみの防水なのですが、マックスはボディー表面の防水コーティングが優れているので粉塵にも強く、水槽の中での作業試験をクリアしているようです。
他にも、インパクトドライバーに関してですが、片手でモードを切り替えられるように出来ているなど、これからの発展が楽しみな、今一番注目のメーカーです。
<パナソニック Panasonic>
シェアはマキタやリョービより少ないものの、三洋電機の買収により電池部門を強化し、コンパクト&ハイパワーな電池を開発しています。
近年発売された「デュアル」シリーズは、14.4Vと18Vの両タイプの電池が使えます。
各メーカー特色がありますので、その工具や用途によってメーカーを選ぶのも一つの手かと思います。
しかし、前述いたしましたように充電式工具においては、同じメーカーでそろえた方が、バッテリーを使いまわす事が出来るので、より便利と思われます。
工具メーカーもどんどん新しいラインナップを出してきており、次々と新たな便利な機能が開発されている印象です。
一昔前は技術があってこその道具でしたが、現在は、技術をカバーしうる高度な工具が、身近に手に入るようになりました。
便利な工具を適切な使用方法で使いこなし、充実したDIYライフをお楽しみください。
by 便利さん