アンティーク建具の切り詰め修理
先日施工させていただいた窓枠に、アンティークの窓をサイズ変更してはめ込む作業です。
ありがとうございます。
施主様の思い入れのある建具のようでして、もしもこの先お店が移転しても、
この建具は持っていきたいとの事でした。
窓を一度ばらし、切り詰めを加工してもう一度組んでいきます。
まずは建具の外し作業です。
状態によりますが、アンティークの窓は年数劣化のため、材が大変割れやすくなっています。
ですから、なるべく優しく加減をみながら、ゴムハンマー(通称ゴムとん^^)で慎重にホゾを抜いていきます。
ばらした部材の長さをそれぞれ切り詰め、その端にもともとのホゾに合うように
ホゾ穴を開けます。
片方は既にあるホゾ穴に合わせて加工していくのですが、
部材が劣化していると、なかなか寸法が取りにくい場合があります。
そんな時は、作ったときの作り手の気持ちを考えて、
少し想像も交えて切り寸法を決めてゆきます。^^
アンティークなのでか、なんだか表現がロマンチックになりましたが、
要は作り手が作りやすいように、合理的に寸法を決めているわけですから、
それを読み取っていくということです。
部材の加工が終わったら、先ほどとは逆に今度は組立てていきます。
ホゾ、ほぞ穴に念入りに木工ボンドを塗って、加減を見ながら慎重に
再び窓を組み立てます。
古いものにはその記憶が刻まれています。
塗装の状態や修理の跡などを見ると、ついいろいろと思いを馳せてしまいます。
「ここはこんなにしっかりと補修してある…」
「ここの塗装はやっつけだな^^…」
きっと僕のこの作業も、この窓に刻まれてゆくんだろうなと思い、
ひとつひとつ、やはり疎かにはできないな、と思いました。
見る人が見れば、ものすごい情報がその物から読み取れるのでしょうね。
そんなところも、アンティークの楽しみの1つではないでしょうか。
ありがとうございました。m(_ _)m
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