タンス引き出しと扉の修理
和箪笥の修理のご依頼をいただきました。
ありがとうございました。
こちらの和箪笥、扉の丁番が片方外れているのと、各引き出しの開け閉めが、だいぶ重くなっておりました。
先ずは上の扉の丁番から修理していきます。
何度もネジが付け替えられた跡があり、穴がだいぶ拡がっておりましたので、ビスが効くように穴埋めしていきます。
一旦大きめにドリルで穴を開けてしまい、それから木栓で穴を埋めます。
木栓を鋸で切り、ノミで残って出ている木栓をきれいにフラットにしていきます。
これで丁番をビスで留めることができます。
次に引き出しを直していきます。
経年劣化で上の段の床が落ちてきて、口板に当たってしまっている箇所を、鉋で削っていきます。
下はの写真は、引き出しの奥です。
引き出しが最後まで引っかからずに入るように、横にガイドの薄いサンが付いています。
これが剥がれかけているために、途中で引き出しが引っかかっておりました。
ガイドの薄いサンの後ろに、木で詰め物をして、ガイドを元の位置に戻します。
年数を経た家具は、独特の雰囲気があります。
作りたての時は、どれも真新しく同じなのですが、時を経てどんな場所で、どんな人に、どのように携わってきたのかで、どんどんその個性がにじみ、本当に世界に一つの家具になっていきます。
家具を修理していると、言葉にはなりませんが、いろいろな情報が伝わってきます。
箪笥には感情も言葉もありませんが、壊れて捨てられるよりは修理してまた人の手に触れられる方がいいのでは、などと、勝手に想像してしまう事もあります。
なんにしても、修理して使いたい方がおられ、便利屋としてお手伝い出来る事があり、それによって、喜んでいただけるという事は、とても嬉しい事です。
この度は呼んでいただき、ありがとうございました。
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