木戸をリサイズ サッシ窓をリノベーション
建具のリフォームのご依頼をいただきました。
ありがとうございました。
この度は、古民家を購入されて、ご自分でリフォーム、リノベーションされておられるというお客様からのご相談です。
こちらの住宅は、一般的なサッシの引き戸や窓の住宅なのですが、折角の古民家なのにサッシは味気ないという事で、余っている古い木製の建具を再利用して、サッシ戸を木の建具に変えて欲しいというご依頼でした。
今回リノベーションさせていただきましたのは、居間から外へつながる縁側の引き戸と、キッチン正面の窓の2箇所です。
先ずは、お施主様が集められた古い建具のストックの中から、寸法が近そうなものを選んで再利用させていただきます。
縁側引き戸の方は、敷居に蓋をして引き戸レールを取り付け、キッチン窓の方はサッシ枠をそのまま使わせていただきました。
どちらもの建具も、寸法も可動機構もバラバラですので、それぞれ開口枠に合わせて高さ、幅を切り詰め加工をして、対応する戸車を取り付けます。
<建具切り詰め加工>
古い建具を解体します。
古いものでも状態の良いものは、まだしっかりと接着剤が効いておりますので、ホゾが見えているものはホゾに穴を開けて縁を切り、慎重にホゾ組みを外していきます。
ここで焦ると、建具の接着がまだ強固な場合は、思わぬ場所から木が欠けてしまい、補修に余計に手間を取られてしまいます。^^;
建具の切り詰め加工は、この建具の解体作業が一番気を使います。
新しい建具とは違い、古い木製の建具ですので、劣化している箇所や接着が強固な箇所も、個々それぞれです。
初めに建具を掃除するときに、ある程度はその状態を把握できますが、それもすべてではありません。
建具をばらすときは、様子を見ながらハンマーで徐々に衝撃を与えていきます。
最初は優しく、加減をみていけそうだったら、強さを増していきます。
接着が強固な場合、縁を切るためには、ハンマーの強いインパクトが必要です。
このとき、衝撃の方向が歪んでいると、部材の欠けに繋がるので、気を落ち着けて真下に垂直に力を加えます。
一度縁が切れてしまえば、後は優しく力を加えるだけで、ホゾは徐々に抜けていきます。
ホゾが抜けたら採寸して、切り詰めた部材のホゾやホゾ穴を新たに加工していきます。
新たに製作するときとは違い、癖が出てホゾの大きさもホゾ穴の大きさもそれぞれですので、細部は手加工で作業を進めていきます。
下框の4枚ホゾです。
鑿で微調整してホゾ先の面を取り、1度外した仕口接地面をすべて綺麗にして、ボンドをたっぷりつけて再度組み立てます。
新たなホゾやホゾ穴の加工の無い、外して組み立てるだけの箇所は、ホゾ側にチップを貼り付けて幅を増して、ホゾを効かせます。
こちらは障子戸の格子の切り詰め加工です。
切り詰めた格子部材のホゾを元に、格子先端部分を新たに加工していきます。
格子は数があるので、切り詰め組み立てした時に、胴付きがすべてきっちり付くように、加工時の部材の長さに注意を払います。
切り詰めた障子戸は、戸車を取り付けて既存サッシ枠のレール上、一番外側に配置します。
こちらは網を張って、網戸として使用される予定という事でした。
斬新ですが、趣があります。
<キッチンサッシ窓のリノベーション> ビフォアー&アフターです。
芸術ご出身のお施主様ご夫妻という事で、リフォームなされたお部屋の隅々まで、アーティーでとても素敵でした。
色ガラスが埋め込まれた漆喰壁のキッチンや、ドラム缶ロケットストーブ、色とりどりの廃材を利用しただんだら天井など、どれも斬新でお洒落で可愛く、本当に勉強になりました。
この度ご縁をいただきまして、こんな素敵なお家のリノベーションに関わらせていただいた事に、とても感謝しております。
普段仕事をしている中からはなかなか得られない、貴重な経験の場を与えていただき、本当にありがとうございました。
一般的には廃材と呼ばれる類の素材でも、使い方や組み立て方で本当に素敵に蘇る事を、今回は身をもって教えていただきました。
私も元来、イレギュラーでアーティーで斬新な作り物にはワクワクする質ですので、今回のご依頼は、終始本当に楽しませていただきました。
この経験を奈良の便利屋として、これからの日々のご依頼に役に立てる事が出来るよう、また一歩一歩励んでまいりたいと思います。
この度は便利屋助作のご利用ありがとうございました。